ホーランエンヤ

 私の住む町は、江戸時代の中期から、豊魚や海の安全を祈願する神事として、毎年旧暦の正月二日に「ホーランエンヤ」という行事を行なってきた。
 
 近年は新暦の正月に近い潮の満ち干が適した日曜日に、開催されている。
 
 河口の船止めに係留している「宝来船」に、若者や街の名士が乗り込み、上の神社に~♪ホーランエンヤ、エンヤさのサッサ~と、掛け声を挙げながら漕ぎのぼる。
 
 舟には900キロほどのモチを積み込み、川岸で応援する観客に餅撒きをしながらゆっくりと1キロほどを漕いでいく。
 
 岸には、ご祝儀の酒や品物を神様への貢物として託す街の人が船を待つ。船はゆっくりとその人々の近くまで近づき、若者が水温4~5度くらいの水の中に飛び込む。泳いで岸に近づき、ご祝儀を受け取り拍手の中を船に泳いで戻る。
 
 こんなご祝儀を渡せる石段が、何箇所もあり締め込み姿の若者は、寒さをものともせず、寒厳の川に飛び込む。これがこの催しの呼び物の一つとなっていて大勢の素人カメラマンがこのときは一斉にカメラのシャッターをきる。
 
 今日は、2013年度のこの催しが行なわれた。
 
 最近は、観光行事の一つという面が強調され、正月の風物詩となっているのだが、この催しにギャラリーの一人として参加すると、今年も元気に一年を乗り切ろうと気持ちを新たにすることができる。
 
 こういった、めでたい行事は長く続いていって欲しいものだ。