スパイ防止法も成立させることができない日本の将来を憂う!


 アメリカは「華為」(ファーウエイ)の孟晩舟副会長が、対イラン制裁に違反する金融取引に関与したと、詐欺罪などで起訴を決めた。

 孟氏の身柄引き渡しを、カナダ政府に強く求めている。
これに対し、中国はカナダ人を3人拘束し、そのうちの一人に死刑判決まで出してカナダ政府に揺さぶりをかけている。

 中国のオハコである”人質外交”に屈することなく、カナダのトルドー首相は「法的な手続きに従って決める」と明言。
 日本政府の韓国への対応の甘さと比較して、なんとも情けなくなる。

 もう一点、今日、ファ―ウエイの米関連会社が米携帯電話大手から携帯端末の品質試験に使う技術を盗み出した罪で起訴した事案も注目される。

 知的財産権侵害の是正を迫るアメリカの強固な姿勢は、何とも頼もしいではないか。今やデジタル分野の戦いは、貿易戦争と並んで”新型冷戦”の主戦場だと言える。
 ロス商務長官らが今回の起訴と対中貿易交渉は別物だとくぎを刺したことも、さすがはアメリカだと感心させられる。

 トランプ氏が中国の譲歩を引き出すために、孟晩舟の扱いを取引材料に使う不安への配慮であろう。

 米、英、豪、カナダ、ニュージランドの5カ国は「ファイブアイズ」という機密情報共有の枠組みを作り、知的財産権侵害に強力な監視体制の連携を実施している。

 残念なことに、わが国はこの枠組みには参加していない。
世の中がここまで進歩して、先端技術をいくら開発しても盗みにたけた国が、国家ぐるみで知的財産の侵害を行えば、一国だけの体制では限界があるのは誰もが認識していることだ。

 しかし、わが国には「スパイ防止法」さへも法制化できない目を覆うばかりの遅れがある。
 これから日本国が世界で多くの国々と互角の技術競争を行っていくためには、スパイ防止法の制定。「ファイブアイズなどとの連携は欠かせないのではないのか。

いつまでも仮想の平和にどっぷりと浸かったままでは、我々の国への未来はなのではなかろうか。

 ※ この文章は、産経ニュースを一部引用しながら書きました。