備長炭???
今朝の最低気温は6,3度。
今年の夏の暑さは何もかも異常で虫や花木にも大きな影響が出た。それが過ぎたら寒気が押し寄せ、木々は色づきどんどん落葉していく。このところ寒暖差の変化が大きく私の家では火鉢に炭を起こした。
買いだめしていた炭が無くなり、家内の里へ出かけたがいつも調達できた店は店主の高齢化のため、店じまいしていた。
ここで調達できる炭は、近くの山々から切り出した樫でできた白炭だ。これを備長炭と呼ぶ人も居る。火はつきにくいが一度つくと火持ちが驚くほど長い。
完全燃焼された木炭だから、煙や有害なガスは一切出ない。
そうでないと部屋で使うわけにはいかないので、私はホームセンターへ出かけて、備長炭を探した。
バーベキューの季節が終わり、アウトドア製品の売り場はこたつや暖房機が並べられている。当然、備長炭などは売られてはいない。
数軒目でようやく、備長炭と大きく書かれた箱を見るける。
わずか2キロしか入っていない小さな箱だが、手に持つとかなり重量感がある。
小さな字は読めないので、「備長炭」と書かれた文字と2キロで1800円という価格を根拠にとりあえず試してみようと購入した。
持ち帰り、早速箱を開ける。出てきたのは真っ黒な炭。これは白炭ではない。
二つ取り出して、叩いてみたが独特の高い音は出ない。備長炭なら高い金属音がキンキンと鳴り響くはずだが、コンコンと低い音だ。
眼鏡をとりだし説明書きを読む。
製造の人の名前、会社名何度はどこにも書かれてはいない。しかも、横文字が小さくかなり長い文章(?)で書かれている。
その後に日本語の説明がある。だが、使用上の注意がほとんどで、製造方法や誰が作ったかは書かれていない。
最後の方に、木炭の原料は「マングローブ」となっている。なんだこれは?私はがが―んと頭を殴られたような気になった。
そして、最後に「メイド・イン・インドネシア」と表示された文字を見て、すべたが納得。
つまり、これは偽物の備長炭で、何も知らない素人のBBQ愛好家を騙す製品だということが分かったのだ。
返す気持ちにもならず、とりあえず使ってみた。ぱちぱちと火花を散らしながら火がついてゆく。
起こってしまってから、火鉢に取り込んだ。火力はまあまあで、火持ちも普通の安物寄りははるかに良い。値段が6倍なので当然だと思うのだが、本物の備長炭の比べると火力や火持ちは全く違う。
マングローブ出の木炭など想像したことも無い。しぶしぶ使い切ることにしたのだが、世の中にこんなに偽物が氾濫すると何を信用して良いのか分からなくなる。
良い炭の調達がこの冬の私の課題になりそうだ。