阿比留瑠比の極言御免より(2018.5.25)



 [阿比留瑠比の極言御免] 政治嫌悪の高まりを恐れよ

 それはあまりに異常でグロテスクな光景だったが、現在の国会の在り方を象徴もしていた。22日に国会内で開かれた立憲民主党の代議士会での一場面である。

 辻元清美国対委員長加計学園の問題で(愛媛県の新)文書が出てきたことは皆さんもご承知の通り、誰がウソをついているのか。はい、誰でしょう?」

 党所属議員「(一斉に)総理!」

 辻元氏「だよねー」

 振り付け通り、上手にお遊戯ができた幼稚園児たちを見守るように、薄い笑みを浮かべた辻元氏の表情が印象的だった。だが、いい大人が、それも国民の負託を受けた選民たちがこれでいいのだろうか。

 かと思うと、同党の福山哲郎幹事長も同日の記者会見でこう強調していた。

「これまで国会で虚偽答弁を繰り返してきた安倍晋三首相が(平成27年2月25日に加計孝太郎理事長と)会ってないと言葉だけで言われていても全く信用できない」

 安倍首相が国会で虚偽答弁を繰り返したと、いつ証明されたのだろうか。そこには、論理も条理もない。あるのは、とにかく政敵を悪と決め付け、おとしめ、傷つけようという集団的な熱狂のみだと感じる。これが「言論の府」たる国会の悲惨な現状である。

 筆者は、もう1年数カ月にわたって、贈収賄も何も出てこないモリ・カケ騒動に明け暮れる国会を見ていて、ある危惧を抱いている。国民の政治不信は昔からだが、このままではそれがさらに深まり、「政治嫌悪」「政治蔑視」へと向かうのではないかと。

 流動する国際情勢にも、少子高齢化など日本が直面する喫緊の問題にも目をつむり、ひたすら醜聞探しに没頭する野党も、有効な反撃ができずに立ちつくす政府・与党もそうである。ともに、国民に考慮するに足りない存在だと思われ始めている。それは、民主政治の危機を招く。

 確かに立憲民主、国民民主、共産などの野党を中心とした安倍内閣の醜聞追及は一定の成果を挙げた。産経新聞社とFNNの19,20両日の合同世論調査でも内閣支持率は39,8%と4割に届かなかった。

 また、安倍首相の人柄を「評価しない」が45,2%と5割近くに上ることも、野党による「首相は嘘つき」とのイメージを植え付ける「印象操作戦略」が奏功している証左だろう。

  とはいえ、同じ調査で政党支持率を見ると、野党5党を合わせても18,8%と2割に満たず、あれだけメディアに露出しても野党の評価は全く高まらない。

 旧民主党と旧希望の党が合流して発足した国民民主党に至っては、合併前の合計政党支持率が2,9%だったものが、合併後は1%となる不人気ぶりだ。

 当たり前である。他社の足を引っ張って自分のところまで引きずり下ろしたとしても、自分自身が高みに登れるわけではない。野党がやっていることは、いわば「共倒れ作戦」であり、日本の政治全体のそこを下げているだけではないか。

 「最高権力者が覚悟の上で公然とウソをいった場合、そのウソを覆すことは簡単ではありません」

 立憲民主党最高顧問の菅直人元首相は22日付の自身のブログで、こう安倍首相をこき下ろした。だが、インターネット上の反応を見ると「それは官氏自身のことだろう」と嘲笑する声が目立つ。政治と政治家が国民から心底バカにされるような国で、民主主義がきちんと機能するとは思えない。

                           (論説委員兼政治部編集委員

         引用終わり

 いきなり引用から入らせていただいた。
今の各メディアの世論調査では、安倍首相の支持率は横ばい。いくらかは上昇も見られるようだが、それもわずかである。不支持率が支持率よりも相変らず高いのが気になるが、与党の中ではそろそろ下げ止まりではないかとの声も聞こえる。

 私が注目するのは、各政党の支持率である。
相変わらず、自民一強だ。マスコミと連動してこれだけ「モリ・カケ」で揺さぶり続け、安倍内閣をおとしめてきた。その成果(?)が安倍首相の支持率に影響していることは否定できない。

 このことは、後で述べるとして、注目の政党支持率であるが、5野党の合計が18%ちょいというのは、国民もこれらの野党に期待していないということだ。と、断言できる。
 この1年数カ月に及ぶ長期間、世界は大きく動き、世界の中の日本として政界や経済界のリーダーは何を考え、どうあるべきかを今こそ行動に移していく。そんなことが日本の各界のリーダーに求められている。

 トランプ政権は、二歩などからの輸入者に10倍にも及ぶ関税を変えようと、画策している。鉄鋼やアルミ製品も然りだ。

 また、中国は沖縄本島から宮古島あたりを飛び越えて、新型の爆撃機を飛ばした。トランプは北朝鮮との首脳会談の中止を発表(これはまだ流動的で、最後はどうなるか見当がつかないが)
 つまり、国防と言う観点から、議員たちは次々にわが国へ影響を及ぼす大きな事案に対して、真剣に国会で論議する責任があるはずだ。

 このような、国家的案件をほったらかして、モリ・カケにうつつを抜かす野党の姿勢に、国民はさすがに白け切っているのでhないか。
 それが、政党支持率に表れていると思う。野党の面々はこのことに気付き、路線変更の時期を過たぬようにしなければ、過疎地の限界集落てきな状況はまるだろう。

 安倍内閣の支持率であるが、マスコミの扇動もあって大衆がこれまでの安倍首相の国政に残した足跡のチェックもしないで、判断した結果が出ているのではないかと私は思う。

 悪夢の旧民主党政権時代が終わり、そのあとを引き継いだ第2次安倍内閣がスタートして5年。
その間に、総理は世界中を飛び回り、精力的な外交を展開した。
また、黒田日銀総裁を指名し、アベノミクスで株価は大きく回復、。GDP や税収もアップした。

 よくポスト安倍が語られるが、石破茂さん、小泉進次郎さん、その他岸田さんやノダさんなどの名前が取りざたされるのだが、安倍晋三氏にかわり同じ程度の内政、外交ができそうな人物はいるだろうか。

 この阿比留氏のきじでも危惧されている政治不信、政治嫌悪が国民の間に広がることは、わが国の疲弊につながる。
今こそ、野党だけでなく、与党も含めて国民の政治離れを食い止めるような、努力をして欲しい。