今日の”産経抄”から


[産経抄] 4月15日
 春の嵐が、そよと吹くとは限らない。気象用語の本をめくると、風向きの急変に備えを促す言葉がこの季節に多い。「鉄砲西」や「西落とし」は前線の通過後に吹く強い西風を指す。侮るなという戒めである。

 ▼北に退く冬と南で力を養った夏が、列島の上で折衝を繰り返す。その図を思えば空の変転は自然な営みといえる。花曇りの空を指し「天気が怠ける」(『風と雲のことば辞典』講談社学術文庫)の穏やかな表現もあるが、春は総じて天地がざわつく時節なのだろう。
 ▼2度のシンドが熊本県を襲ったのも、この季節である。最初の激震から14日で2年がたち、いまも3万8千人以上が仮住まいでの暮らしを続けている。壊れた家を建て直し、2重3重のローンを抱えて再起の道を歩む人もいると聞く。「被災」はおわっていない。
 ▼犠牲者の中には地震後の豪雨災害に巻き込まれた人もいた。桜前線が足早に北へ去った今年も、風から雨へと気を抜けない日々が続く。テレビでは気象予報のキャスターが今夏の猛暑を告げていた。被災地にとっては3巡目の四季も骨身にこたえる試練に違いない。
 ▼復興の進む町では、仮住まいから新居へ移る人も増えよう。気がかりなのは、避難生活で培った人間関係の途絶や環境の変化に伴うストレスの蓄積である。被災地の・・と書きかけて手を止める。日本の正念場として、過去の震災が残した教訓を生かさねばなるまい。
 ▼大分県耶馬渓で起きた山崩れは、安否不明者を残したまま発生から72時間以上がたった。折悪しく雨にぬれる現地の模様をニュースが伝えている。季節を前に進める上で、雨も風も欠かせぬ営みと分かってはいる。それに向けて「降るな」とは言うまい。しばし怠けてくれないか。

     
              引用終わり

 日本列島に住む以上、自然との関係、その営みを無視して日々の生活を送るというのは当然なことながら無理である。
 今朝の、ブログのお友達からは、北国の雪景色の写真が送られてきた。昨日から今朝にかけての雪景色のようだ。

 西日本は、それ夏日だ。アイスが売れるなど今年の夏の暑さを予感させるニュースがある一方、北の国では震えあがるような雪景色だ。

 熊本地震から、早くも2年が過ぎようとしている。私が出かける飯田高原やその先に広がる熊本県の瀬の元高原には、今も手つかずの地震の亀裂が残されたままだ。
 
 今月に起きた、耶馬渓の山崩れ。家内の甥が市役所の職員で、30代の若者なので、山崩れの当日から被災者の救出に駆り出され、重機が使えない手作業を必要とする部分で、スコップを持ち身体を張って頑張っている。

 もう4日、ほとんど家には帰れないとか。それでも、不明者の捜索に泥にまみれて奮闘しているということを、家族から聞くと、自分にも何か応援出来はしないかと言う想いにかられる。

 どうか、2次災害には気をつけて、一刻も早く不明者の発見に努めて欲しい。タダ。神様に祈るだけだ。