今の大学生は、50%が1日の読書時間ゼロとは(涙)


 
 今日の”産経抄”には、「読書時間ゼロの大学生に訴えたい」とのタイトルで以下のような記事が載っている。

 東大教授の福島智(さとし)さんは、ハードボイルド小説のファンを公言している。福島さんは9歳で失明、18歳で聴力を失った。見えなくて聞こえない過酷な状況で生きるということは、毎日戦場にいるような感じだという。

▼それゆえ、「命ぎりぎりのところで生きる(ハードボイルド小説)の登場人物」に「親近感が湧くし、エネルギーをもらえるんです」。数年前、月刊誌『致知』に掲載された作家、北方謙三さんとの対談で、語っていた。

▼昨今の大学生の多くは、そんなエネルギーを必要としていないらしい。全国大学生協連合会の調査によると、学生の「本離れ」はますます進んでいる。昨年はとうとう、1日の読書時間ゼロと答えた大学生が、初めて5割を超えた。

▼情報収集は、スマートフォンで用が足りる。アルバイトや就活で忙しい。理由はいろいろあるだろう。ただ、別の調査では、高校生の「不読率」も5割に近い。大学入学前に読書の習慣が身についていないと。ずっと本と縁のない生活が続いて行くわけだ。

プロ野球西武の菊池雄星投手は、読書家として知られている。先月の日経新聞で、沢木耕太郎さんの『敗れざる者たち』に収録されている「クレイになれなかった男」について書いていた。ついに燃え尽きることのなかったボクサー、カシアス内籐を描いたノンフイクションである。

▼成績が伸び悩んでいた菊池投手は、この本に出会って、やれることをやっていない、自分の甘さに気が付いた。改めて「燃え尽きよう」と誓った。それが、昨年のパ・リーグ最多の16勝と最優秀防御率の好成績につながったというのだ。読書の効用は小さくないぞ、と訴え続けたい。果たして、聞き耳を立ててくれるかどうか。

          引用終わり 

 本離れの理由はいろいろあるのだろうけど、若者が文字文化の意味や価値に気がつかないまま、成長するというのはとても心配になる。

 携帯が普及する前、さらにテレビが出現する以前には、情報のほとんどは、新聞や本、雑誌からが主体であった。
 私たちは、子どもの時代から、むさぼるように本を読んだものだ。そして、それから多くのことを学んだ。

 スマートフォンの普及は、その文字離れに拍車をかけた。
東大教授である福島先生や菊池雄星投手の話は、読書が我々の生活にどのくらい大きな影響、大きな恩恵をもたらしているかを伝えてくれる。

 青少年が、そんな本の魅力に触れず、或いは、その素晴らしさを知らずに無為な時間を過ごしていくことを考えると、未来の世の中はどうなるのだろうと、要らぬ心配さえしてしまう。

 幼いころからの家庭教育、学校での読書の習慣を身につけることに、大人はもう少し真剣に取り組む必要があるのではないか。
 とくに、今の若者が大人になったときが、そのような対応にも支障が起きるだろう。
喫緊の課題として、読書の奨励や読書の大切さを、国民運動として文科省などは、大いに啓蒙していくべきだと想う。