百田尚樹氏への朝日新聞の抗議部分

[ケント・ギルバート ニッポンの新常識]
 朝日の百田尚樹氏への抗議部分「100パーセント中国の肩を持つ」では?
 
 朝日新聞では昨年末、『徹底検証「森友・加計事件」・朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』(月刊Hnada双書)で名誉を傷つけられたとして、著者で文芸評論家の小川栄太郎氏と、発行元の飛鳥新社を相手取り、謝罪広告の掲載と計5000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。 
 先日、小川氏らに裁判所から訴状が届いたようだ。(夕刊フジ、1月26日)
 
 欧米では、この手の裁判は「スラップ訴訟」として軽蔑される。ダチョウ倶楽部の定番ギャグ「訴えてやる!」のニュアンスと同様、棄損された名誉の回復というより、自分たちの活動に否定的な言論への威嚇を目的とした裁判と受け止められるからだ。
 
 「言論の自由」に守られた大手新聞社による訴訟提起は、自己否定そのものであり、自殺行為にも等しいと思う。
 
 もし、私が朝日新聞の顧問弁護士であれば、このような恥ずべき裁判には加担したくないので、経営陣を必死で説得する。聞き入れられなければ顧問弁護士を辞任する。
 
 小川氏のフェイスブックによると、朝日新聞社側は訴状で、《原告は上記両問題(森友・加計問題)について安倍晋三首相が関与したとは報じていない》と主張しているそうだ。
 
 これが事実なら、印象操作で世論を誘導したことの自白に等しい主張だと感じる。朝日新聞がまともな言論機関であれば、今やるべきは「森友・加計問題に安倍首相の関与なし」を1面トップで報じて、読者や世間の誤解を解くことなのではないか。朝日新聞の判断はいちいち間違っていると指摘したくなる。
 
 作家の百田尚樹氏は13日ツイッターで、《これは首をかけてもいい。もし、中国と日本が軍事衝突をすれば、朝日新聞は100パーセント、中国の肩を持つ。朝日新聞は日本の敵だが、そんな売国新聞を支えている朝日の読者も日本の敵だ》とつぶやいた。表現は過激だが、百田氏の気持ちも理解できる。
 
 これに対し、朝日の広報部は15日、《[「朝日の読者も日本の敵だ」と作家の百田尚樹さんが発信していますが、特定の新聞の読者を敵視するような差別的んア発言に強く抗議します。私たちはこれからも建設的で多様な言論を尊重し、読者とともにつくる新聞をめざします》とツィートした。
 
 私は、日本の新聞社としては、百田氏のツィートの《朝日新聞は100パーセント、中国の肩を持つ》という部分に断固抗議すべきだと思うが、同社はそこを指摘していない。左派に多い、「差別的発言への抗議」へと論点をズラしたことは興味深かった。
 
 「日本の肩を持つ」とは外交辞令としても言えないということなのか。この驚くべき愚直さを、朝日新聞はなぜ紙面作りに生かさないのか、不思議でならない。
 
                           ケント・ギルバート
 
          (引用終わり)
 
 いきなり引用を始めてしまったが、朝日新聞という我が国の大手メディアが、堂々と小川氏へ論戦を挑もうとせずに、いきなり訴訟沙汰にでた。
 
 言論機関の代表を自負する読者数何百万人という新聞社が、言論での黒白をつけようとする姿勢を投げ捨て、裁判をこすこと事態が異常だと思う。
 これからの裁判の成り行きがどう展開するのか、興味は尽きないところだが、それにしてもメディアのお粗末さとその紙面から情報を得ようとする読者が気の毒になってしまう。
 
 もっとも、読者はどの新聞を選ぶかは自由なので、こんな新聞と承知の上で購読している人がほとんどであろう。自業自得とも言える。
 
 不思議なのは、それでも購読を続ける人が多いということだ。
みなさん、どのような想いで朝日新聞に目を通しているのだろうか。