メロンパン

今、「つるべエの家族に乾杯」(NHK)と言う番組を、私の隣で見ている家内が、大声で笑った。
 私も何だ?とテレビに注目した。
場所は、新潟の阿賀野市らしい。
 ここで、ゲスト出演の要ジュンという俳優が、パン屋の娘さんらしい人に連れられてその娘さんが推奨するパン屋をたずねたところだ。
 
 わたしもときどき見るのだが、この番組は、ほのぼのとした温かさが伝わり、数少ない面白い番組だと思う。
 
 ぶっつけ本番なので、特に演出の人が仕組むようなシーンもないのでは?まあ、編集の工程ではいくらか、カットなどはあるのだろうが、面白く見ることができる。
 
 パン屋のシーンで、私は昨日から今日にかけての、家内の話を思い出した。
私たちは昨日は、飯田高原へ出かけていて、午後下の町へ降りた。
山を下ってくると、「玖珠道の駅」と言うところがあって、ときどき、そこでパンを買う。
 ここのパンのうち、特に美味しいのはメロンパンだ。
 
 山を降りるとき、事前に電話をかけてメロンパンを10個ほど予約した。
いきなり立ち寄ると、いつもメロンパンは売り切れ。それだけ人気があるのだろう。
 
 それを持参して、叔母が暮らす施設を訪れた。
受付では、日曜出勤の娘さんが、家内に挨拶する。
家内は車に引き返して、メロンパンを取り出し、「日曜日なのに出勤してご苦労さま。叔母がお世話になります」と言いながらその娘に一つでけだが、プレゼントした。
「このメロンパンはとても美味しいのよ。一度食べてごらん」と、メロンパンの宣伝も忘れない。
 
 今日、再び施設を訪ねた。
私は読書したいので車の中で待つ。
しばらくして、家内が車に乗り込んできた。
 そして、「昨日あげたメロンパン、とても美味しかったと、喜んでくれたわ。それで、その後が面白いの」
「何だ面白いとは?」
「実はあの娘さんは、玖珠町の人で、ここまで通っているらしいの。本人は自分の町でこんな美味しいパンが作られていることを、全く知らなかったわ」
 自分の町の道の駅などには、出かけないのだろう。
パンの包み紙に、製造元が書かれたあるのに気がついて、びっくりしていたらしい。
 
 きっと、これからはときどき、道の駅を覗いて、日ごろ気が付いていない美味しいものを探し当てるかもしれない。
 ちなみに、ここで育った肉牛は、5年に一度開かれる肉牛の選手権で昨年グランプリを取った「豊後牛」だ。
 私たちは、ここの牛肉ヤユズ胡椒が大好きで、飯田に行くときは必ず立ち寄ることにしている。