トランプの世界観は、アジアの安定を壊す?

家内が朝ごはんを食べながら、NHK日曜討論を見ている。
 私は、チラッチラと、TVへ目を向けたり、耳から入る出演者の声を拾ったりする。
 
 今日のメインテーマは、トランプがエルサレムイスラエルの首都だと宣言し、アメリカ大使館をテルアビブからアエルサレムへ移すといったことへ、アラブ諸国の反発などを話合っているようだ。
 
 娘婿のクシュナ―氏に、早くからエルサレムイスラエルの首都と認定し、アメリカ大使館を移すと約束していたそうだから、それを実行しただけと、トランプ氏は言いたいのであろう。
 
 エルサレムは、イスラム教、キリスト教ユダヤ教と、それぞれの宗教関係者が、聖地とする場所で、一国だけの首都とすることには、多方面からの反発が予想されていた。
 だから、どの国もどの宗教関係者も表立っての首都宣言は控えていたのではないか。
 
 ”寝た子を起こす”とは、このトランプ氏の行動そのものだ。
 
 イランの核開発、新米寄りのサウジアラビアなどとの関係がぎくしゃくして、新たな中東の火種になりそうだが、このことは日本の安全保障にも関係してくる。
 
 中東での紛争が勃発すれば、アメリカは親イスラエル国として、中東諸国への介入を余儀なくされるであろう。
 そうすると、今、暴発寸前の北朝鮮の問題が手薄になることは間違いない。
 
 その間に、北はチャンスとばかりに核開発やミサイルの進化に力を入れる。
最悪の場合、アメリカは北朝鮮の核保有を、なし崩し的に認めざるを得ない状態に陥る。
 
 北朝鮮が、核保有国として認められれば、核をバックに我が国への恫喝外交を展開することになるかもしれない。
 
 世界情勢を読んで、安定した世界の到来を待ち望む人々にとっては、トランプという大統領は、単なる混ぜくり役の男なのだろうか。
 
 成り行きが気にかかってしょうがない。