社会科の授業が嫌な女の子たち

数学や英語などでかなり力が発揮できる女の子たちへ
「どの科目が好きで、嫌いな科目は何ですか?」と聞くと、好きな教科では英語とか国語などが多く、数学が好きだという子もけっこういる。
 
 ところが嫌いな科目は?との問いかけには、多くの子どもは同じような返事を私に返してくる。
それは「社会科が嫌いです」と言う答えだ。
 どうしてこのような傾向があるのかを、私なりに考えたのだが、女子特有の感性と言うか、興味と言うのか、世の中の動向や社会が形作られていく過程、社会の仕組みなどに関心を示さない子どもが、男の子に比べて多いのが原因の一つと考えられるのではないだろうか。
 
 自分が社会の一員で、自分を取り巻く社会の中で自分の置かれた位置、そこでの役割などがピンとこない。私が今取り上げている対象の子は、中学生と高校生なのだが、自分が生まれ育っている国の歴史や住み易い世の中がどのようにつくられていくのか。そのためにはどんなルールが必要か。など、公民の内容も関係してくる。
 
 さらに自分が暮らす地域の地勢的状況、他所の自治体との比較や連携。また、外国と日本の関係など地理学的な要素も関係してくるのだが、どれも社会科嫌いの子どもには受け入れてもらえない。
 
 もちろん学校での社会科の授業にも問題がある場合も考えられる。
社会の指導で大切なのは、子どもたちにいかに興味を喚起させながら授業を進めるかがポイントだと思うのだが、暗記重視の授業を強いるのではないか。
 興味の無いことを無理やり暗記するのは、苦痛以外に何も残らない。
 
 
 女の子たちの興味はそんなことより、誰と誰が付き合っているか、誰が好きなのだけど告白できないといった、異性への感心などの方がはるかに大きな関心事となるからなのか。つまりテレビのワイドショー的な内容に夢中になる。
 
 そういう訳で、今行われている衆議院の選挙などにも少しは関心を持って欲しいところだが、スマホを操りラインなどで友達と交流することの方が大切なようである。
 先の国会で選挙権が18歳からになったのだが、どうも外国の同年代の子どもに比べ、その関心はかなり低そうに思えてならない。
 
 もっとも、早くから政治などへ異常な関心を示し、今の政治の在り方や時の政府の批判などを、中高校生が熱心に行うことがあるとしたら、それはそれで多少不気味な感じもしてくる。
 しかし、今回の選挙では、女性の立候補者の数が過去最大を示したとか、ニュースで教えられた。
 
 立候補者1180人中、女性の候補者は209人で女性候補の割合は17%を超えたのだそうだ。
 男女同権が叫ばれて久しいが、政治の世界はまだまだ男社会と言える。
そんな風潮の中で17%はどのような意味を持つ数字なのか。
 
 私が思うのは、18歳になるまでに、世の中の動向や社会の在り方に関心を持ち、自分の考えをしっかりと身につけた選挙人に成長して欲しいということだ。
 充分に年齢を重ねた人の中に、自分の意見を持つことが出来ずに、他人の意見やマスコミなどに影響を受けやすい人々が多く居る。
 
 そんなお手本にもならぬ大人へと成長して欲しくは無いと思う。
興味を持たせることは、家庭での生活の仕方でも可能であろう。その中からなにがよくて何が悪いという自分の意見をしっかり持った人格が、育成されれば世の中はもう少し良い方向へ進むのではないかなど考えてしまうのだ。