高原の花々

 昨日の土曜日、久々の青空の下、車を走らせて飯田高原(はんだ)へと出かけてきた。
 
 到着してみると、雨こそ降ってはいなかったが、どんよりとした厚い雲が頭上に広がり、身体を包む空気が冷たい。
 
 知り合いの人に挨拶をすると、その人は開口一番
「ここは寒いでしょう。今朝は起きるのが億劫で一番にコタツをいれたよ」
と、言われた。
 
 さすがに標高1000メートルの高地ともなると、平地とは気温がかなり違い「コタツをいれた」という話もうなずけて聞くことができた。
 
 昼食をすませて、久々の高原ウオーキングとしゃれこんだ。
 
 この時期の飯田高原は、野草の開花が盛んで私が好きな時候だ。
 
 車の通らない脇道に入ると、早速「ゲンノショウコ」の可愛いピンクの花が出迎えてくれた。
 
 ゲンノショウコは、白い花が多いそうだが、飯田高原ではほとんどが濃いピンクだ。
 
 続いて、雑草の中から紫の「ツリフネ草」が風が吹くたびゆらゆらと。
 
 その脇には珍しい「黄ツリフネ」も。
 
 さらに歩きを進めると、「カワラナデシコ」「赤爪草」「ワレモコウ」などが競うように野辺の道を飾っている。
 
 少し、山の方に足を踏み入れてみると、とっくに開花が終わったはずの「シモツケ草」
 
 今や旬の「狐のカミソリ」「フシグロセンノウ」など、平地では観ることのできない花々の歓迎(?)を受けた。
 
 はじめは少し寒い感じで始めたウオーキングであったが、1時間も歩くとうっすら汗をかいている自分に気がついた。
 
 我が家から車で2時間を費やす距離にある飯田高原だが、これらの野の草花にずいぶん癒された。
 
 来週も、今回のように咲き誇っていてくれよと、願いを込めながら家路についた。