手塚治虫没後30年 今も読み継がれる「漫画の神様」


 これは昨日の産経ニュースの中の一つの記事の表題である。

 9日は「漫画の神様」とうたわれた手塚治虫先生の命日であったらしい。
今、お元気でいれば90歳かな。

 働き盛りで亡くなった手塚先生。訃報を聞いたとき私は身内がこの世に別れを告げたとき以上の衝撃を受けた。

 手塚先生の話題を語るとき、鉄腕アトム火の鳥、或いはブラックジャックなどが先生の残した業績とされることが多い。

 産経ニュースによると、今、最も話題を集めるアニメの一つが「どろろ」らしい。
この記事では、戦国時代を舞台に、妖怪に手足など身体の多くを奪われた若者・百鬼丸が、どろろと名乗る子どもと各地を巡る作品だ。

 昭和44年以来、50年ぶりのアニメ化となると、ニュースは伝えている。

 50年ぶりか。今の子供は「どろろ」なんて物語走らないであろうが、放映されればたちまち手塚ワールドの魅力にはまるに違いない。

 手塚先生は、日本を代表する漫画家でありながら、れっきとした国家資格を持つ医者であった。だから、命の尊厳に関する作品が多い。しかも専門的な視点から手塚哲学の分野を全開しながら作品づくりに励まれた。

 火の鳥や人造人間に命を吹き込んだ鉄腕アトム、さらにブラックジャックブッダなどの作品には、その手塚先生の死生観が色濃く反映していると、私は解釈している。

 少年時代に読んだ雑誌の付録の作品「地球1954」はそれらの中でも私が一番魅了された作品だった。

 半世紀ぶりにアニメ化された「どろろ」がどんな作品に仕上がるのか分からないが、原作のイメージを崩さないような手塚作品の再生を期待したいものだと思う。