独裁体制について想う

 友達と、立ち話をする機会があった。
久しぶりの対面で、今年初めてなので私が「新年明けましておめでとう」と言うと
「あまりおめでたくもないのだが…」と浮かぬ顔で返事を返してきた。
私が、「いつもの元気がないけど、どうかしたのですか?」と聞くと、
「いやあ、いつもと変わらない新年が明けたと思っただけで、理由は何もないよ」とのこと。
 この友人は、同級生だけに、お互いに遠慮せず討論もする。
しばらくして、友人が
「それはそうと、今年も安倍一強の独裁体制が続くのだなあ」
と、突然話題を切り替えてきた。
 私が「安倍政権が続くだろうという予想は、あんたと同じだが、安倍政権が独裁だとは、考えたこともないよ」
友達「どんどん安倍さんの思い通りに進んで、自民党にもいろんな政治家が居るのに出番は回ってこない。やはり、独裁だよ。俺は独裁は嫌いだ」
という。
 この人は、独裁というkとを考え間違いして、別の意味に捕らえていると私は判断した。
続けて「俺は独裁は嫌いだ。次に首相になる人は,石破さんが良いと思っている」
と、私に話しかけた。
 私はこのまま相手をしていると、話が険悪になりそうなので適当に他の用事を口にして、その友人と別れた。
 
 しかし、独裁政治やその体制についてほかの考えが頭をよぎった。
一般論からすると、これまでのヒトラースターリン、古くは皇帝ネロなど、独裁体制を維持した政治家は、ロクな政治をしなくて、一般大衆をつらい目に合わせた。
 そんな体制が良いという人は、ほとんどいないだろう。私も独裁政治なんてとんでもないと思っている。
今の北朝鮮は典型的な独裁国家だ。この国では一応、金ジョンウンを国民は表向きは尊敬、崇拝している様子は見せてはいるが、腹の中では早く死んじまえ、と、思っているかもしれない。
 
 ただ、十羽一括りで、独裁体制が悪いと決めつけるのはどうであろうか。
カダフィ亡き後のリビアフセインが捕らわれた後のイラクなどは、国が乱れに乱れ、ISなどのどうにもならないテロ組織ができて、世界中を混迷に陥れた
 
 イスラム社会に限った事ではないのだが、いろんな意見がぶっつかり合い、それが過激思想で衝突すると、その国や社会は暴力による秩序無き人間の集団になる。
 
 そこで、悲しい目を見るのは決まって、弱い立場の人々だ。
過激思想の人の中に、無政府主義を唱える人が居る。いわゆるアナーキズムに犯された人たちだ。
 しかし、きつい締め付けがあって、自由を奪われた独裁社会より、無政府状態の方が、私にはもっと恐ろしい世の中になるとの想いは消えない。
 
 民主主義が高度に発達すれば、時間をかけて話し合いを重ね、合意地点を見つけ出し、世の中を進めることができる。
 だが、世界の国々が、そんな国ばかりになるのは、途方もない時間が必要だろう。
 
 今年は1つでも、二つでもそんな民主守護国家が、新しく誕生して欲しいものだ。