論点の狂った党首討論

ニュースを通して伝わってくる国会での党首討論の様子。
 
討論される主題は安保法案の改正であるが、与野党ともに、今なぜ安保法案の改正を審議して成立を目指そうとしてるのかという肝心のことが討論されていない。
 
お互いに自分の主張をぶっつけ合うだけである。
 
 そもそも、今国会に与党が提出した安全保障に関する法案の改正(集団的自衛権の容認)は、時代の変化に我が国の安全保障体制が見合うような準備を進めることが必要だと判断したからである。
 
 独立国家であれば、時の政府は、自国民の安全、生命・財産の保証を常に考えて行かねばならない。
 それは、政府の最も重要な、国民への責任であり義務でもあるからだ。
 
 近年、経済発展を遂げた中国が、南シナ海東シナ海岩礁などの埋め立てを行い、力による現状変更を進めている。
 鄧小平時代は、中国は覇権国家ではないと、世界に向けてアッピールしていたことが、真っ赤なウソだったことが、明らかになった。
 
 尖閣諸島も、あの周辺海域の下にたくさんのエネルギー資源が眠っていると、国連の調査団が発表した後、突然、尖閣諸島は昔から中国の領土だったと叫び始めた。
 
 こうした覇権国家である中国の、フィリピン沖のスプラトリー諸島ベトナム沖の海を埋め立て、広大な海上軍事基地を作っている行為。
 毎日、日本の領海侵犯をして、尖閣諸島海域に現れる中国公船。
石垣島などの漁民は、これまで大切な漁場として生活の糧を得ていた海域へは、怖くて船を出せないという。
 明らかに日本人の生活が、中国によって脅かされているのである。
 
 集団的自衛権、集団的安全保障に反対する野党は、この中国による脅威に対して、どのように考えているのかを是非聞きたい。
 
 
 このような問題が現実に存在するということ、それに対してどのように考えているのかなど、与党はもっと強く野党に投げかける必要がある。
 それでも、法案を廃案に追い込もうと言うのなら、お前らは日本人の生命や安全は考えずに、中国を利することにどうして夢中になれるのか、と、攻め立てるべきではないか。
 
 この肝心な論点がずれてしまい、集団的自衛権憲法に違反している。いや、合憲の範囲以内だ。と、無駄な議論で貴重な時間を費やしている。
 
 この討論の様子を伝えるマスコミの姿勢も偏向し過ぎている。
アナウンサーもコメンテーターも、もっともらしく世論調査の資料などを紹介して、この法案に国民の多数が反対していると、説明を付け加えている。
 
 世論調査というものは、問いかける内容や問いかけ方で回答は変わる。
自分たちの主張に都合の良い問いかけをすれば、期待通りの結果はいとも簡単に出る。
 それをもっともらしく、これが国民の意思だとばかりアピールする姿勢には賛成できない。
 
 中国の脅威に対してどう思うのか。
北朝鮮のミサイルや核開発、数百機のノドンミサイルが日本列島に向けて照準を合わせている現状に対してどう思うか。
 
 これらのことをぜひ世論調査で調べて欲しい。
 
国会の党首討論の話が、マスコミの姿勢に変わり始めたので、今回はこのあたりで…。